耕し手
いじりたがりのタコ
TMNG
「微調整だけだ。方向は変えてない。」
少しだけ直す。それを重ねているうちに、手元のものは全部入れ替わっていた。
武器
少なくとも、現場にはいる。相場も業界も政策も、タコが見ているものは全部本物だ。オートマ任せの相手より、世界を一つ分多く知っている。知っていること自体は間違っていない。間違うのはいつも、その知識の出口のほうだ。
死に方
小さい変更は、消えずに積み上がる。一回の2%は何でもないが、毎月2%なら、十年後に手元にあるものはもう最初のものじゃない。(船の板を一枚ずつ全部取り替えたら、それは同じ船なのか。)タコが取り替える時も、いつも「一枚だけ」のつもりだ。
原型
ケインズ二十世紀で最も頭の切れた一人。キングス・カレッジの基金で腕を試し、為替と商品の値動きを読んで稼ぎ、二度、元本をほぼ失った。晩年は数銘柄だけを買って長く動かさない側に完全に移り、負けを認める一言を残す。「市場が理不尽でいられる時間は、人が破産せずにいられる時間より長い。」二度の破産寸前で学んだことは、『一般理論』第十二章のあの有名なたとえに書いてある。美人コンテストで選ぶのは、自分がいちばん美しいと思う顔じゃない。みんながいちばん美しいと思うであろう顔だ。書かれているのは、「ちょっと直すだけ」と言う人全員のことだ。